会社のデスクに、真っ二つに割れたキーボードがある ⌨️
もしオフィスで、真っ二つに割れたキーボードをカタカタ叩いている人を見かけたら、それはたぶん私です。
壊れていません。最初から割れているんです。
FILCO Majestouch Xacro M10SP(静音赤軸・日本語配列)——左右セパレートの「分割キーボード」で、私はこれを会社のレギュラー機として毎日使っています。
導入初日、これをデスクに置いた瞬間に上司から一言。
「またマニアックなもんつかいよるね!」
その声につられて周りの同僚までわらわらと集まってきて、朝から無駄に注目の的になりました。ちょっと恥ずかしい、でも正直ちょっと誇らしい。テヘペロです😜
で、肝心の使い心地はというと——結論、分割キーボード入門として最高でした。
分割キーボードって「肩がラクになるらしいけど、仕事で使うのはハードル高そう」というイメージがある人、多いと思います。私も最初はそうでした。でも実際に使ってみると、いきなり自作キーボード沼に飛び込まなくても、メーカー製の安心感を持ったまま分割生活を始められる一台でした🙌
一方で、地味に大事な注意点もあります。
- Windows専用機として使っている(会社PCがWindowsのため)
- Macでの使用は積極的にはおすすめしていない
- 慣れるまで「あれ、矢印キーどこ?」となる
- 左右のキーボードは専用ケーブルでつなぐ必要がある(後述しますが、いま少し気になっているポイントです)
この記事では、実際に会社で使い続けている立場から、良かった点・つまずいた点・そして残念なお知らせを正直にまとめます📝
FILCO Majestouch Xacro M10SPとは?
FILCO(ブランド名)を展開していたダイヤテック株式会社が発売していた、左右分割型のエルゴノミクスキーボードです。
私が使っているのは「Majestouch Xacro M10SP 76JP」の静音赤軸・日本語配列モデル(品番: FKBXS76MPS/NB)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Majestouch Xacro M10SP 76JP |
| スイッチ | CHERRY MX 静音赤軸 |
| 配列 | 日本語配列・76キー |
| 形状 | 左右分割型(70%クラス) |
| 特徴 | ハード/ソフト両対応マクロ、専用マクロキー10個搭載 |
| 接続 | 有線(USB)。左右ユニット間は専用ケーブルで接続 |
| 価格 | 定価 税込24,200円(価格.com 掲載の市場価格は1.9万円台〜) |
分割キーボードというと自作キーボード(60%前後・キー数少なめ)を想像しがちですが、Xacro M10SPは76キーと比較的キー数が多く、フルサイズに近い感覚で移行できるのが特徴です。数字列やファンクションキーも普通にあるので、いきなり「キーが足りなくて詰む」ということが少ないんですよね。
ちなみに私は、まだ普通に流通していた時期に定価近辺(税込2.4万円前後)で購入しました。キーボードに2万円超えは正直勇気が要りましたが、毎日8時間触る道具と考えれば、今はまったく後悔していません。
良かった点①:静音赤軸だからオフィスでも気を使わない 🏢
分割キーボードを検討したときに一番気にしたのが、打鍵音でした。
会社は静かなオフィスなので、カチカチと大きな音が鳴るタイプ(いわゆる青軸)は論外。かといってHHKBのような高級キーボード特有の打鍵感に、周りが慣れているわけでもない。
その点、静音赤軸は本当に丁度良かったです。軽やかに沈む感触で、しかも音がかなり抑えられている。周りに気を使わず、普通にオフィスで使えています。
分割キーボードを職場に導入するハードルって、「機能面」より先に「音」で止まる人が多い印象があります。静音赤軸モデルを選んだのは、今振り返ってもかなり正解でした🙌
良かった点②:分割なのにキー数が多くて移行がラク ⌨️
自作キーボード系の分割モデルだと、フルサイズの4〜6割程度までキー数がかなり絞られていて、レイヤー機能(Fnキーなどで1つのキーの役割を切り替える仕組み)に頼る前提の設計が多いです。
Xacro M10SPは76キー。数字列もファンクションキーもBackspaceもEnterも、普通に独立キーとして存在しています。
なので、「分割キーボードに慣れる」というハードルと「キー配置を覚え直す」というハードルを同時に越えなくて済みました。分割の慣れだけに集中できたのは大きかったです。
会社で毎日使う道具なので、覚え直しコストが低いのは地味に効きます💪
良かった点③:肩まわりがラクになった実感がある 🧘
分割キーボード最大の売りとされる「姿勢がラクになる」効果。正直、使う前は半信半疑でした。
でも実際に使い続けてみて、肩まわりがラクになった実感があります。左右のユニットを自分の肩幅に合わせて離して置けるので、一体型のように腕を体の内側へ無理に寄せなくて済む。この「腕をすぼめない」姿勢が効いているんだと思います。
劇的なビフォーアフターというより「気づいたら前より窮屈じゃない」というタイプの変化ですが、毎日長時間打つ人ほどジワジワ効いてくるはずです。
ついでに正直に書いておくと、目玉機能のひとつである専用マクロキー10個は、まだ一部しか使いこなせていません🙈 よく使う操作をいくつか割り当てて満足してしまっている状態です。それでも「いつでも拡張できる余白がある」という安心感はあります。
つまずいた点:矢印キーがない。でも慣れると意外な発見が 😂
正直に書くと、最初につまずいたのは独立した矢印キー(十字キー)がないことでした。
このサイズ(フルサイズの7割程度、いわゆる70%クラス)のキーボードだと、矢印キーはFnキーとの組み合わせで別のキーに割り当てられていることが多く、Xacro M10SPも同様です。私の場合はFn+J・K・L・Iがそれぞれ「←・↓・→・↑」という割り当てで使っています。最初の数日は「あれ、矢印どこいった」と何度も手が止まりました。
ところが、使い続けているとだんだん慣れてきて、ある日気づいたんです。
「あれ、むしろ今までの十字キー、邪魔だったのでは…?」
独立した矢印キーって、右手をホームポジションから大きく動かさないと押せません。矢印キーの存在を前提にキー全体のレイアウトも右にズレていることが多い。
Fn+JKLIに慣れると、右手をホームポジションに置いたまま矢印操作ができるようになりました。文章を打ちながらカーソルを戻すような場面で、手の移動がまるごと消えるんです。慣れるまでは不便、でも慣れたら手放せない。これ、分割キーボード入門でよくあるパターンかもしれません🤔
注意点:Windows専用として使っている。Macには積極的におすすめしない 💻
実は私、Macでも使おうと試したことがあります。結果は……うまくいきませんでした😇
ショートカットキーなどでMacモードに切り替えようとしたものの、私の環境ではうまく切り替えられず。このストレスがなかなか大きくて、深追いせずに早々と「会社のWindows専用キーボード」として運用することに決めました。
もともとデフォルトはWindows(106/109キー)前提の配列なので、会社PCがWindowsオンリーの私にとっては、割り切ってしまえば何の問題もありません。むしろWindows専用機としては快適そのものです。
ただ、Macメインの人には積極的にはおすすめしません。この記事で「Windowsユーザーに特におすすめ」という書き方をしているのは、この実体験が理由です⚠️
残念なお知らせ:FILCOブランドのダイヤテックが事業を終了 😢
ここからは、かなり残念な話です。
このキーボードを作っていたFILCOブランドのダイヤテック株式会社は、2026年4月22日に事業終了(閉業)を発表し、その後4月30日に東京地裁から破産手続開始の決定を受けています。原因は為替デリバティブ取引の失敗と、外付けキーボード需要の減少とされています。
つまり、Xacro M10SPはもう新規に生産・購入することができないキーボードになってしまいました。下書き時点(7月5日)には公式サイトに「完売」表記が出ていましたが、その公式サイト自体も、この記事を仕上げている7月8日時点ではもう閲覧できなくなっています。
Amazon等で在庫が残っている出品を見かけることはありますが、あくまで在庫限りの流通で、メーカーとしての再生産はありません。気になる人は、在庫があるうちに実物を確認しておいたほうがいいかもしれません。
救いなのは、FILCOブランド製品の修理・販売サポートは台湾の製造パートナーが引き継ぐ予定と報じられていることです。使い続けるうえでの保守が完全に途絶えるわけではなさそうで、そこは少しホッとしています。
ただ、ひとつ気になっているのが、左右のキーボードをつなぐ専用ケーブルの今後です。このキーボードは左右ユニットを専用ケーブルで接続する構造なので、もしこのケーブルが断線したら、代わりが手に入るのか——正直、現時点で私には分かっていません。
もし専用ケーブルの互換品や入手方法、今後のサポート状況についてご存じの方がいたら、X(@komekitiITCS)やコメントで教えてもらえるととても嬉しいです🙏 同じユーザーの方とも情報を共有したいと思っています。
会社のレギュラーとして毎日お世話になっているだけに、素直に寂しいです。長年愛用してきたユーザーも多いブランドだったはずなので、余計にそう感じます。
まとめ:分割キーボード入門としてWindowsユーザーにはかなりおすすめだった
会社で毎日使ってきた実感として、Majestouch Xacro M10SP(静音赤軸)は、分割キーボード入門としてかなり良い選択でした。
- 静音赤軸だからオフィスでも気を使わない
- キー数が多くて、いきなりの環境変化にしては移行がラク
- 肩まわりがラクになった実感がある(腕をすぼめずに打てる)
- 矢印キーがないのは最初つまずくけど、慣れると逆に効率が上がる
- Windows専用として使うぶんには快適。Macは要検証
一方で、作っていたFILCO/ダイヤテックはすでに事業を終了しており、新品の入手はかなり難しくなっています。これから探すなら、市場在庫(価格.com で1.9万円台〜)を当たるのが現実的です。
同じ製品が手に入らなくても、「分割キーボードにキー数の多さを求める」という選び方の軸は、他の製品を検討するときにそのまま使えます。現行で買える分割・エルゴノミクス系だと、私が別記事で扱っている Keychron Orca echo や Cornix LP あたりが候補になるはずです。
私自身、他にも HHKB Professional HYBRID Type-S や HHKB Studio など一体型の名機も触ってきたので(2台の本音比較はこちら)、「分割か、一体型の最高峰か」で迷っている人はあわせて読んでみてください。
参考リンク
- 価格.com: FILCO Majestouch Xacro M10SP 76JP FKBXS76MPS/NB 静音赤軸 — 市場在庫・価格の確認用
- 東京商工リサーチ: ダイヤテックの破産に関する報道
- AKIBA PC Hotline!: FILCOブランドのダイヤテックが閉業
※この記事は、実際に会社で使い続けている自分の使用経験と、公開時点で確認できた報道情報をもとに書いています。アフィリエイトリンクは含めていません。
